「歳を重ねるほど、片付けって遅くなるのかな?」
先日、お片付けに伺ったお客様から、こんなご質問をいただきました。
「昔はもっとテキパキ片付けられたのに」
「最近、片付けに時間がかかるようになった気がする」
年齢を重ねる中で、そんなふうに感じている方は多いのではないでしょうか。
私はこれまで、一人暮らし女性を中心に200件以上のお部屋へ伺い、延べ1,000回以上、お片付けのお手伝いをしてきました。
10代から80代まで、幅広い年代のお客様とご一緒しています。
その経験から正直にお答えすると、確かに、その傾向はあるかもしれません。
ただ、現場でたくさんのお客様と向き合ってきて、片付けが遅くなったのではなく、判断する物が「深く」なった、の方がしっくりきます。
今回の記事では、歳を重ねると片付けが遅くなる理由と、身体が動いて判断もしっかりできる今だからこそおすすめしたい「人生の棚卸し」についてお伝えします。

- 一人暮らし女性のお片付け専門家(訪問実績1,000回以上)
- 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
- 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
- TBS「櫻井・有吉 THE夜会」出演(お片付けの専門家として出演)
- KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
- 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
歳を重ねると片付けが遅くなるのは本当?
結論からお伝えすると、年齢を重ねると片付けに時間がかかるようになるのは、自然なことだと感じています。
でもそれは、「だらしなくなった」「衰えた」という単純な話ではありません。
片付けは、
- 残すか、手放すかを判断する
- しまう場所を決める
- 使ったら元に戻す
この3つの繰り返しです。
年齢を重ねると、このひとつひとつにかかる時間が、少しずつ変わっていきます。
年齢を重ねると片付けが遅くなる3つの理由
① 判断のペースがゆっくりになる
片付けは「判断」の連続です。
ひとつひとつの物について「いる・いらない」を決めていく作業は、思っている以上にエネルギーを使います。
若い頃は勢いで決められたことも、年齢を重ねると「本当に手放していいかな」「後で困らないかな」と、丁寧に考えるようになります。
これは悪いことではなく、経験を重ねたからこその慎重さでもあります。
② 元に戻す動作に、体力が必要になる
現場でよく感じるのが、「戻す」動作の負担です。
- 低い場所の物を取るために、屈む
- 高い場所の物を取り出すために、腕を伸ばす
- 踏み台を持ってくるまでが、ちょっとしんどい

ひとつひとつは小さな動作ですが、積み重なると「あとでやろう」につながります。
片付けが遅くなったというより、今の身体に、収納の位置が合わなくなってきたというケースも少なくありません。
③ 大切な物が、年々増えていく
そして、私が現場でいちばん大きいと感じているのが、この理由です。
歳を重ねれば重ねるほど、大切な物は増えていきます。
- お仕事でいただいた、大切な手紙
- 自分が積み上げてきた実績や記録
- 昔からずっと応援している「推し」のグッズ
- 若い頃に夢中になった趣味の道具
- ご両親から譲り受けた物

どれも、簡単に「いる・いらない」では分けられない物ばかりですよね。
片付けが遅くなったのではなく、「判断する物が深くなった」
20代や30代の頃の片付けは、「使うか、使わないか」で判断できる物がほとんどでした。
でも、年齢を重ねた今、目の前にある物は少し違います。
20代や30代の頃には感じることのできなかった想いが、物に移っている。
そして、その物たちが「今の自分」を形づくっている。
だから、ひとつ手に取るたびに手が止まるのは、当たり前のことなんです。
片付けが遅くなったのではありません。
判断する物が、深くなったのです。
「昔より片付けられなくなった」と思っている方には、まずこのことをお伝えしたいと思っています。
30代の私にもある、「捨てなきゃよかった」の経験
実は、30代の私自身にも、昔と比べて「判断が深くなったな」と感じる出来事があります。
それは、「流行は繰り返す」を、自分の身で経験したときでした。
- ポケモンカード
ポケモンカードが大流行していた時代に、子ども時代を過ごしました。今なら高値がつくカードも持っていたのに、捨ててしまったこと - ルイ・ヴィトンのポーチ
昔は今ほど高くなかったので、若い頃に売ってしまったこと - 高校生の頃に流行っていた服
思い返せば、私が若い頃、母もよくこう言っていました。
「昔、私もこれ持ってたのに〜!捨てちゃった」
そのときの私は、正直なところ、こう思っていたんです。
「今流行っているとしても、そんな昔の物は使いたくないんだけど…」
でも、自分が当事者になってみると、違うんですよね。
母のあの言葉の意味が、今になってやっと分かりました。
人生を重ねるほど、「捨てなきゃよかった」の経験は増えていきます。
だから、次に何かを手放そうとするとき、
「これも、いつか後悔するかもしれない」
と、手が止まる。
判断に時間がかかるのは、優柔不断になったからではありません。
それだけ、たくさんの経験を重ねてきたからなのだと思います。
身体が動いて判断もできる今こそ、「人生の棚卸し」をしませんか
大切な物が増えるのは、それだけ豊かな時間を重ねてきた証です。
ただ、ひとつだけ現実的なお話をさせてください。
先ほどの3つの理由のうち、「判断のペース」と「体力」は、この先も少しずつ変化していきます。
そして「大切な物」は、これからも増えていきます。
つまり、片付けは、先に延ばすほど大変になりやすいのです。
だからこそ、身体が動いて、判断もしっかりできる今のうちに、「人生の棚卸し」をしてみませんか。
人生の棚卸しは、物を捨てることが目的ではありません。
- これまでの自分が、何を大切にしてきたのかを知る
- これからの自分に、何を持っていきたいかを選ぶ
- 大切な物を、大切に扱える状態に整える
自分の手で、自分の意思で選べること。
それは、今だからこそできることです。
人生の棚卸しの始め方|無理なく進める5つのステップ
① 判断しやすい物から始める
いきなり思い出の物から始めると、手が止まってしまいます。
最初は、期限の切れた食品や薬、古くなった日用品、明らかに使っていない物など、気持ちの入っていない物から始めましょう。
判断のリズムがつかめてきます。
② よく使う物を「屈まず、背伸びせず」取れる高さへ
毎日使う物は、腰から目の高さまでの、いちばんラクに手が届く場所へ。
屈んだり、踏み台を出したりしなくても戻せるようになるだけで、片付けの負担はぐっと軽くなります。
③ 思い出の物は「これからも一緒にいたいか」で選ぶ
想いのこもった物を「いる・いらない」で分けるのは難しいものです。

そんなときは、「これからの私も、この物と一緒にいたい?」と自分に聞いてみてください。
過去の自分のために残すのか、これからの自分のために残すのか。
この視点があるだけで、選びやすくなります。
④ 残すと決めた物は、大切に扱える場所へ
残すと決めた物は、段ボールの奥にしまい込まず、見返せる場所や飾れる場所に置いてあげましょう。
量が多い場合は、写真に撮って残すのもひとつの方法です。
「全部を持ち続ける」以外にも、大切にする方法はあります。
⑤ 1日1か所。迷ったら「保留」でOK
一気にやろうとしなくて大丈夫です。
今日は引き出し1段だけ、棚1段だけ。
どうしても迷う物は、箱にまとめて3〜6ヶ月ほど保留にしてみてください。
無理に決めなくても、時間が答えを出してくれることもあります。
ひとりで判断し続けるのが大変なときは
想いの深い物と向き合う時間は、心も体力も使います。
「ひとりだと、手が止まってしまう」
「どこから始めればいいか分からない」
そんなときは、誰かと一緒に進めるのもひとつの方法です。

おへやアレンジメントでは、物を勝手に手放すことはありません。
「残す・手放す」を決めるのは、いつもお客様ご自身です。
私は隣で、その物にまつわるお話を伺いながら、これからの暮らしに合う形を一緒に考えていきます。
まとめ|片付けが遅くなったのは、大切な物が増えた証
歳を重ねると片付けが遅くなるのには、理由があります。
- 判断のペースが、ゆっくり丁寧になる
- 屈む・手を伸ばすなど、元に戻す動作に体力がいる
- 人生を重ねた分だけ、大切な物が増えていく
片付けが遅くなったのではなく、判断する物が深くなった。
それは、これまでの時間を大切に生きてきた証だと、私は思います。
だからこそ、身体が動いて、判断もしっかりできる今のうちに。
ご自身の手で、人生の棚卸しを始めてみませんか。
まずは引き出し1段からで構いません。
おへやアレンジメントでは、単に「物を減らす片付け」ではなく、お客様がこれから先も心地よく暮らせる空間づくりを大切にしています。
「片付けたいけれど、自分一人ではなかなか片付けられない」
「これからの自分に合ったお部屋へ変えたい」
そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください。
おへやアレンジメントは一人暮らしの女性専門のお片付け・インテリアコーディネートサービスです。
整理収納アドバイザー1級とインテリアコーディネーターの資格を持つプロがご自宅のお片付けを行います。





