「いつか実家を片付けないといけない」
そう思っていても、実家じまいはなかなかすぐに始められるものではありません。
親がまだ元気だから大丈夫。
今は仕事や家庭が忙しい。
実家に帰るたびに片付けようと思うけれど、何から手をつければいいかわからない。
このように、気になりながらも後回しになっている方は多いのではないでしょうか。
しかし、実家じまいは、いざ必要になってから始めようとすると、想像以上に時間も体力も気力も必要になります。
そして実際に実家の片付けを経験された方からは、
「もっと早く始めておけばよかった」
「親が元気なうちに、一緒に確認しておけばよかった」
「こんなに大変だと思わなかった」
というお声を聞くことも少なくありません。
今回は、実家じまいで後悔した人に共通する3つのことと、後悔しないために今できることをお伝えします。

- 一人暮らし女性のお片付け専門家(訪問実績1,000回以上)
- 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
- 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
- TBS「櫻井・有吉 THE夜会」出演(お片付けの専門家として出演)
- KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
- 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
実家じまいとは?
実家の片付けとの違い
実家じまいとは、親が住んでいた家を片付け、今後その家をどうするか整理していくことです。
たとえば、
- 親が施設に入居することになった
- 親が亡くなり、実家に住む人がいなくなった
- 実家を売却することになった
- 空き家になる前に家の中を整理したい
- 相続や管理のために家を片付ける必要がある
このようなタイミングで、実家じまいを考え始める方が多くいらっしゃいます。
実家じまいという言葉だけ聞くと、家を手放すことや、すべての物を処分することをイメージするかもしれません。
しかし実際には、家の中にある物を一つひとつ確認し、必要な物を残し、不要な物を手放し、家族で今後のことを考えていく作業です。
なぜ最近増えているのか
近年、実家じまいを考える方が増えています。
理由のひとつは、親御様の高齢化です。
親が年齢を重ねると、今まで当たり前にできていた掃除や片付けが難しくなることがあります。
また、施設入居や介護、入院などをきっかけに、急に実家の片付けが必要になることもあります。
もうひとつの理由は、子ども世代が実家とは別の場所で暮らしているケースが多いことです。
仕事や家庭があり、実家の片付けに何度も通うことが難しい方も少なくありません。
さらに、実家に物が多い場合、一日や二日で片付くことはほとんどありません。
何十年分もの物を確認し、必要な物と不要な物を分ける作業は、想像以上に大変です。
そのため、親が元気なうちに少しずつ始めておくことが大切です。
後悔① 親が元気なうちに整理しなかった
実家じまいでよく聞く後悔のひとつが、
「親が元気なうちに、一緒に整理しておけばよかった」というものです。
家の中にある物には、親御様にしかわからない意味があることがあります。
たとえば、
- 大切な書類
- 親族からもらった品
- 思い出のある食器
- 昔の写真
- 着物やアクセサリー
- 誰かに渡したい物
子ども世代から見ると不要に見える物でも、親御様にとっては大切な物かもしれません。
逆に、子ども世代が大切だと思っていた物でも、親御様にとっては「もう手放していい物」だったということもあります。
親御様が元気なうちであれば、
「これは残したい?」
「これは誰かに譲りたい?」
「この書類は必要?」
「この写真は取っておく?」
と一緒に確認することができます。
しかし、親御様の体調が悪くなったり、認知面での不安が出てきたりすると、物の判断を一緒にすることが難しくなる場合があります。
判断できる人がいることの大切さ
実家じまいで大切なのは、物を動かすことだけではありません。
「これは必要か」
「これは誰の物か」
「これは残すべきか」
「これは処分してよいのか」
を判断できる人がいることです。
実家には、親御様にしかわからない物がたくさんあります。
古い通帳や書類、写真、いただき物、親戚関係の品などは、子ども世代だけでは判断が難しいこともあります。
そのため、親御様が元気なうちに、少しずつ一緒に確認しておくことが大切です。
すべてを一気に片付ける必要はありません。
まずは、書類、写真、貴重品、普段使っていない収納など、判断が必要になりそうな場所から少しずつ確認しておくと安心です。
後悔② 思い出の品を確認する時間がなかった
実家じまいでは、思い出の品の整理に時間がかかります。
写真やアルバム、手紙、記念品、子どもの頃の作品、親御様が大切にしていた物。
これらは、単なる物ではなく、ご家族の思い出が詰まったものです。
しかし、実家じまいが急に必要になると、ゆっくり確認する時間が取れないことがあります。
施設入居の期限が迫っている。
売却や退去の日程が決まっている。
遠方から何度も通えない。
仕事や家庭の予定があり、片付けに使える日が限られている。
このような状況になると、本当は丁寧に確認したかった物も、急いで判断しなければならなくなります。
その結果、
「もっとゆっくり写真を見たかった」
「あの手紙を残しておけばよかった」
「親に話を聞いておけばよかった」
という後悔につながることがあります。
写真やアルバム
写真やアルバムは、実家じまいで特に判断に時間がかかる物のひとつです。
昔の写真には、誰が写っているのか、いつの写真なのか、どこの場所なのか、子ども世代にはわからないものも多くあります。
親御様が元気なうちに一緒に見ておくと、
「これは若い頃の旅行の写真」
「これは親戚の集まり」
「これは残しておきたい」
というように、思い出を聞くことができます。
写真は、ただ残すか捨てるかだけではなく、家族の記憶を受け取る時間でもあります。
すべてを整理しようとしなくても、まずはアルバム1冊だけでも一緒に見ておくと、後から大きな意味を持つことがあります。
手紙や記念品
手紙や記念品も、判断が難しい物です。
古い年賀状、家族からの手紙、賞状、旅行のお土産、いただき物などは、一つひとつに思い出がある場合があります。
もちろん、すべてを残す必要はありません。
ただ、時間に追われていると、大切な物かどうかを確認する余裕がなくなってしまいます。
実家じまいを後悔しないためには、思い出の品を一気に片付けようとしないことが大切です。
まずは箱をひとつ用意して、
「すぐには判断しない思い出の品」
として一時保管するのもおすすめです。
判断に迷う物は、無理にその場で答えを出さなくても大丈夫です。
後悔③ 一人でやろうとした
実家じまいで多い後悔のひとつが、
「一人で抱え込まなければよかった」というものです。
実家じまいは、想像以上に大変です。
家の中にある物をすべて確認し、必要な物と不要な物を分け、処分方法を調べ、家族と話し合い、場合によっては業者の手配も必要になります。
さらに、実家じまいは体力だけでなく、気持ちの負担も大きい作業です。
親の老いを感じたり、思い出の品を見て涙が出たり、家族との意見の違いに疲れてしまうこともあります。
そのため、一人で進めようとすると、途中で心が折れてしまうことがあります。
想像以上に時間がかかる
実家じまいは、一日で終わることはほとんどありません。
一見、片付いているように見える家でも、押入れ、納戸、キッチン収納、物置、書類棚などを開けてみると、たくさんの物が入っていることがあります。
実家には、何十年分もの「家族の暮らし」が積み重なっています。
そのため、片付けるには時間がかかります。
さらに、実家じまいでは、ただ物を袋に入れるだけではありません。
残す物。
譲る物。
処分する物。
売却を検討する物。
供養したい物。
家族に確認する物。
このように分けながら進める必要があります。
判断の数が多いからこそ、想像以上に時間がかかるのです。
家族だけでは進まないこともある
実家じまいは、家族だけでは進まないこともあります。
親御様が物を手放したがらない。
兄弟姉妹で意見が合わない。
誰が何をするか決まらない。
遠方に住んでいて片付けに通えない。
親子だからこそ、言い方が強くなってしまう。
このような理由で、片付けが止まってしまうことがあります。
家族だからこそ、相手のことを思っているのにぶつかってしまう。
これは、実家じまいではとてもよくあることです。
そのようなときは、家族だけで抱え込まず、整理収納アドバイザーなどの、第三者に相談することも選択肢のひとつです。
第三者が入ることで、親御様の気持ちを聞きながら、冷静に物の整理を進めやすくなる場合があります。
実家じまいを後悔しないために今できること
実家じまいは、必要になってから一気に進めようとすると、心身の負担が大きくなります。
後悔しないためには、親御様が元気なうちに、少しずつ準備を始めることが大切です。
ここでは、今からできることを3つご紹介します。
小さく始める
実家じまいと聞くと、家全体を一気に片付けなければいけないように感じるかもしれません。
しかし、最初から大きな場所に手をつける必要はありません。
まずは、小さな場所から始めましょう。
たとえば、
- 薬箱
- 冷蔵庫の中
- 洗面所のストック
- 玄関の靴箱
- 書類の一部
- キッチンの引き出し1つ
- タオルの収納
このような場所なら、短時間でも取りかかりやすくなります。
小さな場所が片付くと、
「ここが使いやすくなった」
「少し物が減ると気持ちがいい」
「次も少しやってみようかな」
と感じやすくなります。
実家じまいは、大きな決断から始めなくても大丈夫です。
まずは、親御様が困っている場所や、判断しやすい場所から少しずつ始めましょう。
家族で話し合う
実家じまいを後悔しないためには、家族で早めに話し合っておくことも大切です。
いきなり
「実家をどうするの?」
「この家を片付けよう」
「これは捨てていい?」
と切り出すと、親御様が不安になってしまうことがあります。
最初は、
「最近、家の中で使いにくい場所はある?」
「これからも安心して暮らせるように、少しずつ整えていかない?」
「大切な物を一緒に確認しておきたい」
というように、暮らしや安心をテーマに話すのがおすすめです。
また、兄弟姉妹がいる場合は、誰か一人だけに負担が偏らないように、早めに役割を話し合っておくことも大切です。
すべてを一度に決める必要はありません。
まずは、実家の片付けや実家じまいについて、家族で話せる空気を作ることから始めましょう。
プロに相談する
実家じまいが家族だけで進まないときは、プロに相談するのもひとつの方法です。
特に、
- 親が物を手放したがらない
- 実家に物が多すぎて、どこから始めればいいかわからない
- 遠方に住んでいて、何度も実家に通えない
- 親子だけだと喧嘩になってしまう
- 介護や施設入居に向けて部屋を整えたい
という場合は、第三者が入ることで進めやすくなることがあります。
おへやアレンジメントでは、親御様のお気持ちとお子様のお気持ち、どちらにも寄り添いながら、ご家族にとって無理のない形で実家のお片付けをサポートしています。
無理に捨てることを目的にするのではなく、これからの暮らしやご家族の安心を考えながら、物の整理を一緒に進めていきます。
実家じまいに向けて、まずは家の中を少しずつ整えたい方も、お気軽にご相談ください。
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まとめ
実家じまいで後悔した人に共通するのは、
親が元気なうちに整理しなかったこと。
思い出の品を確認する時間がなかったこと。
一人で抱え込んでしまったこと。
この3つです。
実家じまいは、家を片付けるだけの作業ではありません。
親御様のこれまでの暮らしを振り返り、ご家族の思い出を確認し、これからの暮らしや家のことを考えていく大切な時間でもあります。
だからこそ、必要になってから慌てて始めるのではなく、親御様が元気なうちに少しずつ始めることが大切です。
まずは小さな場所から。
家族で話せることから。
一人で抱え込まず、必要であれば第三者の力も借りながら。
後悔の少ない実家じまいのために、今できる一歩から始めてみてください。



