「もう着ないのは分かっているけれど、まだ着られる服をゴミとして捨てるのは抵抗がある」

お片付けの現場では、そんなお悩みをよく伺います。

メルカリに出品するのは手間がかかるし、リサイクルショップへ何袋もの洋服を持っていくのも大変。

だからといって捨てることもできず、結局クローゼットの中に何年も残したままになっている……という方も少なくありません。

もちろん、大切なお洋服を無理に手放す必要はありません。

ただ、もう着る予定がなく、「できれば手放したい」と思っているのであれば、自分が納得できる手放し方を探してみるのも一つの方法です。

そこで今回ご紹介するのが「古着deワクチン」。

私も実際のお片付けの現場で利用したことがあります。

この記事では、片付けの仕事をしている私が実際に利用して感じたメリットだけでなく、

「どんな人に向いている?」
「寄付なのに、どうしてお金がかかるの?」
「利用するときに気をつけたいことは?」

といった点も含めてご紹介します。

このコラムを書いた人
成島理紗(おへやアレンジメント代表)
  • 一人暮らし女性のお片付け専門家(訪問実績1,000回以上)
  • 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
  • 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
  • TBS「櫻井・有吉 THE夜会」出演(お片付けの専門家として出演)
  • KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
  • 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー

古着deワクチンとは?

古着deワクチンは、不要になった衣類や靴、バッグ、服飾雑貨などを専用の回収袋に入れて送ることができる、有料のお片付けサービスです。

送られた衣類などは国内で選別・輸出準備が行われた後、カンボジアの直営センターなどを中心に販売・再利用されます。

現地で衣類を販売することで雇用を生み出すとともに、専用回収キットの購入などを通して、子どもたちへのポリオワクチンの寄付にもつながる仕組みになっています。

ここで知っておきたいのが、古着deワクチンは「不要な洋服を無料で寄付するサービス」ではないということ。

公式サイトでも「有料のお片づけ商品」と案内されています。

「寄付なのにお金がかかるの?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、洋服を手放すことに加えて、再利用や国内外での雇用、ワクチン寄付などにつながる仕組みを含んだサービス、と考えると分かりやすいと思います。

2026年8月現在、Standardの専用回収キットは3,300円(税込)。薄手の衣類で約120着分が入る容量で、キット1口の購入につき5人分のポリオワクチンの寄付につながります。

※料金やサービス内容は変更される場合がありますので、ご利用前に古着deワクチン公式サイトで最新情報をご確認ください。

古着deワクチンを実際に利用してみました

以前、おへやアレンジメントの出張お片付けサービスをご利用いただいたM様のお宅で、手放すことになったお洋服を古着deワクチンで送りました。

実際に利用したときの様子をご紹介します。

※掲載している写真は利用当時のものです。現在はキットの内容や集荷方法など、一部サービス内容が変更されています。

専用回収キットを申し込む

まずは、古着deワクチンの公式サイトから専用回収キットを申し込みます。

現在は生活スタイルや用途に合わせて、複数サイズの回収キットが用意されています。

洋服の整理をする予定が決まっている場合は、片付けを始める前にキットを準備しておくとスムーズです。

手放すと決めた洋服をそのまま回収袋へ入れていけるので、

「とりあえずゴミ袋に入れて、あとからもう一度仕分けする」

という手間も減らせます。

専用の衣類回収袋が届く

こちらが、実際に利用したときに届いた回収キットです。

現在のStandardのキットには、大きな強化紙袋と送り方・集荷方法などが書かれた案内が入っています。

袋を広げてみると、想像以上の大きさです。

想像以上に大容量

現在のStandardの場合、目安としてシャツ類なら約120枚、セーター類なら約80枚、ズボン類なら約60枚、アウター類なら約20枚入ると案内されています。

クローゼットをまとめて整理したいときには、かなり頼もしいサイズです。

HPから引用

手放す洋服を回収袋へ入れる

実際にお片付けで手放すことになった洋服を入れてみました。

このときは、

  • コート4着
  • ロングブーツ1足
  • トップスなど

かなりの量を入れましたが、それでもまだ余裕がありました。

ここで、実際に利用してみて分かった大切なポイントがあります。

回収袋は、できれば玄関付近で詰めるのがおすすめです。

洋服をたくさん入れると想像以上に重くなります。

部屋の奥でいっぱいまで詰めてしまうと、玄関まで運ぶのが大変です。

現在の公式サイトでも、中身が重くなるため玄関で梱包することが推奨されています。

「洋服を全部入れてから移動しよう」ではなく、袋そのものを玄関近くに置き、手放す洋服をそこへ運んでいく方が楽です。

集荷を依頼する

袋に洋服を詰め終わったら、集荷を依頼します。

現在は、Standardなど対象のキットでは、ネットでの集荷申し込み(佐川急便)となっています。
古着でワクチン側から、登録したメールアドレス宛に事前に送られてくる集荷フォームから、自分の都合の良い日時を選択し、家で待つだけ。

集荷時に別途送料を支払う必要もありませんし、伝票を書く手間もありません。

つまり、

申し込み → 洋服を詰める → 集荷

まで自宅で完結します。

大量の洋服をリサイクルショップまで運ばなくていいのは、実際に使ってみて大きなメリットだと感じました。

古着deワクチンを使って感じた4つのメリット

「捨てる罪悪感」が減り、洋服を手放しやすい

私が一番大きなメリットだと思うのが、これです。

片付けというと、

「使っていないなら捨てましょう」

と思われがちですが、私は必ずしもそうではないと思っています。

まだ着られる洋服をゴミ袋へ入れることに抵抗を感じるのは、決して珍しいことではありません。

「高かったから」
「たくさん着た思い出があるから」
「まだきれいだから」
「誰かなら着てくれるかもしれないから」

洋服を手放せない理由は、人それぞれです。

そんなとき、

「捨てる」以外の出口があることで、初めて手放せるものもあります。

古着deワクチンの場合、送った洋服が再利用され、さらに社会貢献にもつながる仕組みなので、

「ゴミにするのは嫌だけど、次の誰かに使ってもらえるなら手放せる」

という方には、相性の良い方法だと思います。

大量の洋服をまとめて手放せる

洋服が多い方の場合、リサイクルショップへ持っていくこと自体が一仕事です。

紙袋やゴミ袋に何袋も詰めて、車や電車で運んで……となると、それだけで片付けを後回しにしたくなってしまいます。

古着deワクチンは大きな回収袋にまとめて入れることができるため、

「クローゼットを一度しっかり整理したい」

というときにも利用しやすいサービスです。

洋服だけでなく、バッグや靴も一緒に整理できる

クローゼットを片付けていると、洋服だけではなく、

「もう使っていないバッグ」
「履かなくなった靴」
「昔使っていた帽子やアクセサリー」

なども出てきます。

古着deワクチンでは、衣類のほか、バッグ・靴・帽子・アクセサリー・ベルト・マフラー・財布・手袋などの服飾雑貨も対象になっています。

洋服だけでなく、クローゼットの中をまとめて整理しやすいのもメリットです。

自宅から出なくても手放せる

片付けで意外と大変なのが、「手放すと決めた後、その物を家の外へ出すこと」です。

せっかく仕分けしたのに、

「今度リサイクルショップへ持っていこう」

と思って玄関に置いたまま数か月……ということもあります。

古着deワクチンなら自宅まで集荷に来てもらえるため、手放すところまで一気に完了できます。

これは片付けを最後まで終わらせるうえで、とても大きなメリットです。

古着deワクチンのデメリット・利用前に知っておきたいこと

便利なサービスですが、すべての方におすすめというわけではありません。
利用する前に知っておきたいポイントもあります。

① 無料ではなく、キットの購入費用がかかる

古着deワクチンは、不用品を無料で回収してくれるサービスではありません。

そのため、

「洋服を処分するためには絶対にお金をかけたくない」

という方には、あまり向いていないと思います。

自治体の古布回収など、無料で利用できる方法がある地域もありますので、費用を優先する場合はほかの方法と比較してみましょう。

② 価値のある洋服は、買取の方が向いている場合もある

ブランドバッグや人気ブランドの洋服、新品に近い洋服などは、リサイクルショップや専門の買取サービスで値段がつく可能性があります。

そのため私は、

「売れそうなもの」と「値段はつかなくても次に活かしたいもの」を分ける

ことをおすすめしています。

高く売れそうなものまで、すべて一緒に回収袋へ入れる必要はありません。

「これは売る」
「これは譲る」
「これは古着deワクチン」
「これは処分する」

と、自分が納得できる出口を使い分ければいいのです。

③ 「袋をいっぱいにしてから送ろう」と考えない

大きな回収袋を見ると、
「せっかくお金を払ったのだから、いっぱいにしてから送りたい!」と思ってしまうかもしれません。

でも、その考えには少し注意が必要です。

袋が「いっぱいになるまで待とう」と思って回収袋を何か月も家に置いてしまっては、せっかく片付けたのに物が家から出ていかなくなってしまいます。

大切なのは、袋をいっぱいにすることではなく、

今の自分が「手放して大丈夫」と思えた物を、きちんと家の外へ出すこと。
今回手放すと決めたものを入れ終えたら、そこで集荷をお願いしてしまってもいいと思います。

④ 何でも送れるわけではない

衣類や服飾雑貨の対象範囲は広いものの、すべての物を送れるわけではありません。

たとえば下着類は対象外です。

一方、衣類は家庭で洗濯してあれば基本的にクリーニングは不要で、バッグや靴なども対象になっています。

対象となる物は変更される可能性もあるため、

「これは送って大丈夫かな?」と迷ったら、袋に入れる前に公式サイトの最新のQ&Aを確認する

ことをおすすめします。

古着deワクチンがおすすめな人・おすすめしない人

実際に利用してみて、特に向いていると思うのはこんな方です。

  • まだ着られる服を捨てるのが苦手
  • メルカリへの出品が面倒
  • 買取価格にはこだわらない
  • 大量の服を一気に整理したい
  • 靴やバッグも一緒に整理したい
  • 誰かの役に立つ方法で手放したい

反対に

  • 不用品処分にお金をかけたくない
  • ブランド服をできるだけ高く売りたい
  • 手放すものが数着しかない
  • 着られないほど傷んだ服を大量に処分したい

という場合は、自治体の回収や買取サービス、知人への譲渡など、ほかの方法の方が向いていることもあります。

片付けで大切なのは「捨てること」ではなく、納得して手放すこと

お片付けの仕事をしていると、捨てられたら部屋も片付くんですよね、と言われることがあります。

確かに、何でも減らすことができたら、お部屋は片付きます。
でも、大切なのは、何でも捨てられるようになることではありません。

自分にとって必要な物を選び、必要ではなくなった物には、自分が納得できる出口を見つけること。

売ることが合っている人もいれば、誰かに譲ることで手放せる人もいます。

そして、

「まだ使える物をゴミにするのは嫌だけれど、次の誰かに活かしてもらえるなら手放せる」という方にとっては、古着deワクチンも選択肢の一つになると思います。

実際に今回利用されたM様も、その後ご実家でも古着deワクチンを利用してくださいました。

手放し方が一つ分かるだけで、

「いつか着るかもしれない」
「捨てるのはもったいない」

とクローゼットに残していた洋服を、以前より気持ちよく整理できることがあります。

洋服が多くて困っているときは、いきなり「何を捨てるか」を考えるのではなく、
「私は、どんな方法だったら気持ちよく手放せるだろう?」と考えるところから始めてみてください。

その選択肢の一つとして、古着deワクチンを知っておくのもおすすめです。

※本記事のサービス内容・料金等は2026年8月時点の公式情報をもとに更新しています。最新の対象品、料金、利用方法については古着deワクチン公式サイトをご確認ください。

おへやアレンジメントのサービス

おへやアレンジメントは一人暮らしの女性専門のお片付け・インテリアコーディネートサービスです。
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