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頭の中では、片づけなくちゃと思っているのに、片付けができない」といったお悩みを伺います。
片づけなくちゃと分かっているのに、いつまでも片付かない状態が目に入ってくると辛いですよね。

私は普段、一人暮らし女性のお客様のお家に訪問する「お片付けサービス」をお仕事にしているのですが、片づけたいのに片付かないという場合に「共通点」があることが分かりました。

今回のコラムでは、その共通点と共に、解決策をご紹介していきます。

このコラムを書いた人
成島理紗
  • 一人暮らし女子のお片付け専門家
  • 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
  • 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
  • KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
  • 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
  • 一人暮らし女性宅の訪問件数は500件超
  • 趣味は収納グッズの情報収集と旅行

お片付けができない2つの理由

一人暮らしの住まいで、お片付けができない理由は2つあります。
まずは、その理由を解説していきます。

片付けが先延ばしになる

1つ目の理由は、お片付けを先延ばしにできてしまうこと、です。
極論になってしまいますが、一人暮らしのお片付けは、やらなくても自分が困るだけで、周りに迷惑をかけることは少ないです。そのため、いくらでも片づけることを先延ばしにできてしまいます。

お部屋作りへの理想が高くなる

2つ目の理由は、自分の居場所はもっと良いものにしたい、という思いです。
実は、この理由がお片付け遂行を妨げています。

自分だけの住まいだからこそ、こだわって収納も選びたい。
ぐちゃぐちゃになってしまった自分の持ち物が把握できるよう、整頓された理想の収納を作りたい。
そんな理想の思いが、かえってお片付けをするハードルを高くしてしまい、どこから手を付けたらいいか分からず、動けなくなってしまいます。

こんな部屋にしたい、という思いを持つこと自体は良いことで、その思いがあるからこそお部屋作りが進むのですが、片付けに対して、完璧主義が出てしまうと、「こうあるべき」という理想が高くなりすぎて、着手できなくなってしまいます。

次の項目では、この理由に対しての対処法をお伝えします。

お片付けができない時の対処法

100点を求めるのではなく、70点を目標にする

一番にお伝えしたいことは、ベストな100点を目指すのではなく、ベターな70点を目指すこと。
2つの方法をお伝えします。

収納グッズは先に購入しない

1つ目は最初からお片付けを完璧にしようと収納グッズに手を出さないこと、です。

最初から完璧に片付けをやろうとしても、実際にお片付けをやってみると、途中で「もっとこうした方が良いかも」と思うことが出てきます。

例えば、理想の収納を求めて、先に収納グッズを買ったとします。
しかし、実際に片付けをしてみたら思ったより持ち物が多くて入らず、結局買ったものが無駄になってしまうことがあります。

そうなると、さらに負のスパイラルが生まれます。
使わなくなった新品の収納グッズが捨てられなくなり、それが場所をとってまた散らかることになります。

そのため、先に収納グッズを買うのではなく、今の家にあるカゴや紙袋、ジップロックなどに一時置きをして、あとでまとめて素敵な収納グッズを買えば良い、というルールを設けてみましょう。

何でも持っておきたいという「完璧」な気持ちを手放す

まず、どのお家のお片付けでも最初にやることは、持ち物を精査することです。

というのも、家の中に置けるものの量は、上限が決まっているからです。

上限を超えてしまうと、どんなに便利な収納グッズを買っても、魔法のように全ては入りません。
溢れたものは適正量に減らすか、減らしても良いと思える物を見つけて、モノの総量のバランスを取る必要があります。

ここでも、モノの持ち方に対してベストを求めるのではなく、ベターを求めるとうまく行くことがあるのでご紹介します。

以前、バッグをたくさんお持ちの方がいました。
お散歩用、スーパーに行くとき用、仕事用、ちょっと荷物が多い日用、旅行のとき用、テーマパークに行くとき用、気合を入れるデートの時用、リゾート用、そしてこの服にはこのバッグなどそれぞれの服に合わせたバッグなど・・・。全部必要なバッグだけれど、量が多すぎてクローゼットに入りきらず、寝室にまでバッグが散乱していました。

この例で考えると、○○専用のバッグ、とベストを求めるのではなく、兼用しても良いかな。と思えるバッグを持つ。という緩さを自分に与えてみるのです。

こちらのお客様はその後、使っていなかったブランド品のバッグや、重たくて持つのが疲れてしまうバッグは他で兼用できることが分かり、リサイクルショップに買取に出したことがきっかけで、クローゼットに何とか納まる量にまで持ち物を減らすことができました。

これじゃなきゃダメ、という完璧な気持ちは、ときに自分自身を苦しめるときもあります。
これでもOK、という風に自分に許可を与えられるようになると、暮らしが楽になります。
お片付けでも、これでもOK、の基準が増えると、モノが減って、大切なモノがすぐに見つけられる生活に早く到達できます。
ベストでは無く、ベターを目指しましょう。

まとめ

無意識のうちに「100点をとらなきゃいけない」と思ってしまうと、手も思考も止まってしまいます。
でも、まずは70点目指して行動を起こしてみると、何もしないより100点に近づきます。

頭の中では片付けをやらなきゃ・・・と思っているのに、中々手が付けられない方は、まずは70点を目指して、引き出し1段分やクローゼットの戸棚部分だけなど、大きすぎない箇所から物の精査に取り掛かってみてくださいね。