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突然ですが、昨年末、子宮筋腫の摘出のため入院をしました。
30歳以上の女性の20~30%がなると言われている子宮筋腫。
私の場合は、子宮筋腫がおなかの中でねじれ、それによって腹痛が起き、救急車で運ばれたことがきっかけで緊急入院になってしまいました。

こんな話を最初に聞くと、既に筋腫を抱えている方にとっては不安な気持ちでいっぱいになるかもしれません。
私自身、まさか子宮筋腫で緊急入院になるなんて思ってもいませんでした。

今回のコラムでは、手術を受ける前の過去の私が知りたかった、

  • 「このまま筋腫を放置したらどうなるか」
  • 「手術までの流れ」
  • 「実際の手術ってどのくらい怖い??」
  • 「入院になったら何を持ってくの?」
  • 「手術してみてどうだった??」

という内容を盛り込んで記事を書いています。

ちょっと長い記事ですが、

  • 子宮筋腫と診断されて、取るかどうしよう・・・
  • 最近婦人科検診受けてないから受けようかな・・・など悩んでいる方の参考になりましたら幸いです。

(※病院の方針や子宮のどの場所の筋腫なのかによって、これから書く内容と処置が異なる場合がありますので、参考としてご覧ください。)

このまま筋腫を放置していたらどうなっていた?

激しい痛みに襲われる

まずはじめに、筋腫を放置していたらどんな状況になっていたかを書かせてください。
私の場合は、筋腫を放置をしていたために、2022年の12月21日に耐えがたい腹痛が起き、深夜にファストドクターを呼びました。それでも辛さが変わらず明け方に救急車を呼びました。
救急車の中では、20件の病院に救急要請をしてもらったものの受け入れ先が決まらず、3時間ほどもがいて待ちましたが搬送先が無く帰宅しました。コロナ禍の病気やケガは本当にするものではないと感じました。

症状としては、差し込むような急激な腹痛と吐き気、めまい、が同時に来て、ひたすらトイレに這いつくばっていました。

これは、医師曰く、筋腫の茎のような部分がねじれて、それによって激痛がおこったとのことでした。
腫瘍自体には痛みがありませんが、私の場合、子宮の外側の筋腫だったため、子宮とつながる茎の部分がねじれたのだと思われます。

後述しますが、手術よりこちらの痛みの方がよっぽど辛かったです。

腫瘍に隠れて別の病が進行していたかも

そして、私の場合ですが、子宮筋腫だけでなく、今回の手術で卵管も摘出しました。
手術の際に分かったことですが、子宮筋腫自体は卵管から派生したもので、卵管そのものがパンパンに膨れ上がっていたからです。
(※これは、かなりのレアケースだと担当医師が仰っていました。婦人科の先生も、症例報告レベルなのでは?と仰っていました。)

なので、子宮筋腫を取ることで、筋腫の裏に隠れた他の悪い部分も見つかる場合がある、ということが今回手術を受けての一番の収穫だったと思います。

トイレが近くなる+便秘がちになる+お腹のでっぱりが目立つ

また、この数年間トイレがものすごく近いのが悩みでした。
お仕事がお休みの日は1時間に2回のペースでトイレに行っていました。

それなのに、便秘がちでした。

これも、筋腫を放置していたせいで、筋腫が膀胱を圧迫していたのでトイレが近くなり、腸を邪魔していたから便秘になっていました。

そして、元々ご飯を食べる量が多かったのですが、急激にお腹がぽっこりしてきました。
もう20代じゃないし、代謝が落ちたんだな~などと呑気に考えていましたが、仰向けに寝ているときにお腹を触ったら、ポッコリしているところだけ硬くなっていました。
これも、便秘だと思っていたけれど、今思えば筋腫でした。

子宮筋腫のサイズはどのくらいあった?

そもそも、私の子宮筋腫がどのくらいあったか、についてもお話させてください。
というのも、私が筋腫になった話をお客様にしたら、「実は私も筋腫があって・・・」という話題になることが増えたからです。

私の場合は2022年の10月半ばに受けた婦人科検診で8㎝ほどの筋腫があると伝えられました。
子宮筋腫の種類は、子宮の外側に腫瘍ができる漿膜下筋腫でした。

漿膜下筋腫について

漿膜下筋腫は、子宮とつながっているところでねじれる(捻転をおこす)ことがあります。この場合、急な腹痛が起こります。
筋腫の直径が6cmを超えると、あるいは子宮全体が握りこぶし以上になると、下腹部や腰の圧迫感を感じるようになります。

子宮筋腫 捻転 症状で検索

そこからより具体的に症状を見てもらうべく仕事の合間に婦人科病院に行って、MRIを撮り、先生からも筋腫を取った方が良いと告げられました。取った方が良い理由は、私の年齢が34歳なので、まだまだ大きくなることが分かっていたからでした。それが11月頃でした。

婦人科で大学病院宛に紹介状を書いてもらい、年明け(2023年)くらいに手術を受けようかなと思っていたら、まさかの12月半ばに激痛事件が起き、入院する病院で再度筋腫を測ったらなんと13,5㎝にも大きくなっていました。

注射が苦手だし、病院も怖いし、仕事も繁忙期だから休めない、などと病院に行けない理由を並べていましたが、それどころではなかったことに気が付きました。

腫瘍サイズが小さいならば、1年に1回婦人科検診で様子をチェックすれば大丈夫かと思いますが、大きくなっている方は「最近、思いもよらぬ腹痛が無かったか?」「急にお腹が出っ張ってきていないか?」など些細な身体の変化が無いかアンテナを張っておいた方が良いかと思います。

ちょっと変かもと思ったら、迷わず婦人科へ。

入院してからどんなことをする?

実際に入院してから手術後までの流れがどのような感じだったかを簡単に紹介します。
私の場合は腹腔鏡手術で腫瘍を取り除いてもらいました。

手術はなるべくしたくないと思うのですが、私の場合の例を記載します。
入院期間や手術前にどんなことをするのか気になる方は読んでみて下さい。

術後の痛みなどを知りたい方はこのあたりはササっとスクロールして飛ばしてください。

初日は点滴からスタート

私の場合ですが、緊急入院だったこともあり、手術4日前から入院がスタートしました。
白血球の数値が高かったので、抗生剤の点滴がメイン。その他、バイタル確認を行いました。

普通の方だと、手術の前日から入院のケースも多いようです。

ちなみに、入院中(手術前)に生理がきてしまいました。
どうしようと思って看護師さんに相談したら、生理中でも子宮筋腫の手術はできますとのこと。よかった。

手術前日(看護師さんに謝罪+下剤スタート)

明日の手術後に、もしかしたらナースコールを沢山押してしまうかもしれないため、看護師さんに予め謝罪をしておきました。

朝昼夜はいつも通りご飯を食べてOKでした。
昼から下剤を投入。13:00頃下剤を飲み始めたので、14:00過ぎにお腹が動き出しました。
市販の下剤とは違って優しいお通じだったのでほっとしました。

夜ご飯を食べ終わり21:00以降から水分も禁止に。
水分禁止モードに入ると、明日手術するんだ、という気持ちが出てきましたが、何を考えても明日手術をすることには変わりないので、もう何も考えないようにしようと思い、この日は早めに寝ました。

手術当日(朝ごはんと手術前の準備)

朝ごはんは、こちらのアルジネードウォーターが2本。

スポーツドリンク風味でした。
朝7:00までに飲んで、その後は、浣腸。
個人的に、今振り返るとこれが一番怖かったかも・・・。

午後13時からの手術だったので、午前中は気を紛らわせるためブログを書いたり家族とLINEして過ごしました。
手術30分前に、手術着(下着は付けず、弾圧ストッキング+アウスパッドを装着)に着替え、看護師さんにお迎えされて自力で下の階の手術室まで歩いていきました。

私の妄想では、ストレッチャーに運ばれて家族に見守られながら手術室に行くものだと思っていたので、これから手術といったムードはあまりありませんでした。

手術室前で、シャンプーハットのような髪の毛を覆う帽子をかぶります。
もう逃げられない・・・という気持ちに襲われつつも、人生で数回くらいの経験だからネタになるかも!と変なポジティブな気持ちが出てきました。人は、思いのほか強く出来ていることが分かりました。

あまりにも手術室のフロアが大きかったので、麻酔科の先生に「すごく立派な施設なんですね!」とつい話しかけたら「我が病院自慢の手術室です!」と嬉しそうな返答がきました。
こうやって自分の病院に自信を持っている方が手術してくれるのかと思うと、何だか安心しました。
手術室は、壁色がグリーン。これは、患者さんの気持ちを穏やかにする効果や、お医者さんが手術時に赤を見分けやすくする効果があります。
こんな時にも色彩心理学を思い出してしまう自分に職業病を感じました。

いよいよ全身麻酔

ウォーターベッドのような体圧分散型のホカホカベッドに横たわり、点滴がスタートしました。
酸素マスクも付けられ、看護師さんが手をつないでくれました。
ゆっくり酸素マスクからの空気を吸うように指示され、3回吸ったところで意識が朦朧とし、4回目で完全に意識が無くなりました。
意識が無くなる瞬間、何とも言えぬ多幸感に包まれ、穏やかに消えていくような感覚でした。

気が付いたら終わってた

横になった状態で名前を呼ばれ、気が付いたら手術が終わっていました。
手術室の中では、ディズニーの音楽「夢はひそかに」が流れ、とてもドラマティックでしたが、下着も付けずに弾圧ストッキング姿の私がベッドに横たわる姿を想像したら一気に目が覚めました。

痛みに関しては、ほとんど無く本当に今手術してた?!と思えるレベル。
そのまま、病室に戻り、血栓防止のフットポンプを付けたり、ちょこちょこ看護師さんが様子を見にきてくれました。
私の場合ですが、少しぼーっとするくらいで麻酔の副作用はありませんでした。

夜中に痛みが来たら嫌だったので、念のため、痛み止めも点滴しておいてもらいました。

ただ、フットポンプの音がうるさくて寝られないのがネックでした。

手術後1日目(歩いてトイレに行く)

朝、心電図を外し、手術着からパジャマにお着替え。
パジャマに着替えられただけで、病人な気持ちが減りました。
お水も飲んでOKになりました。

びっくりなのは、昨日手術したばかりなのに、もう歩けるということでした。

立ち上がって歩けるかを恐る恐る確認し、フットポンプと尿管が外れました。

まっすぐ立つのはできなかったので、おばあちゃんのように腰を曲げてそろりそろりと歩きました。
トイレは、最初は50ml出る位でしたが、回数を重ねるごとに、通常に戻りました。

歩く距離は、病室出てすぐのトイレまでの往復で精一杯。

傷の痛みはほぼ無しでしたが、手術の合併症(肩こりのような痛み)が辛く、ベッドに座れなくなってしまったので湿布を貼ってもらいました。

お腹は全く減らず。

術後の疲れが出たのか、この日は15:00くらいからベッドに横たわり、気が付いたら翌日の5:30まで寝てしまいました。

手術後2日目(ごはんスタート)

朝5:30起床時にガスが出たので、看護師さんにお伝え。
ガスが出たのでご飯がスタートします。

昼間は五分がゆ。
あっという間に完食。個人的に足りませんでした。
足りない!と思えるくらい、傷部分はほとんど痛みを感じませんでした。

食べ始めたらおなかが活発に動いてきて、おなかのガス溜まりの方が気になってしまいました。

歩く距離は、ちょっとずつ長くなり、病棟を半周できるくらいに回復してきました。
この日のお風呂は、看護師さんにシャンプーしてもらいました。

手術後3日目(最後の管が抜ける)

最後の管がお腹から抜けました。
傷口をガーゼで処理してもらい、いつも通りご飯を食べます。

腸閉塞が怖いとのことで、ゆっくり30分かけてご飯を食べました。
案の定ご飯が足りなかったので、差し入れでいただいたジュースを飲み空腹をしのぎました。

歩く距離は、昨日と変わらず。
ちょっと腰を曲げて歩きました。

それでも、術後1日目と比較したらかなり回復していました。

因みにこの辺りの日にちは、クリスマス~年末にかけての時期だったので、インスタにケーキやら大好物の餅のアレンジレシピの投稿ばかり上がって、食欲との戦いでした。

午後は、先生から今回の手術内容を聞いたり、診察を受け、清算。
無事に、翌日に退院となりました。

もし緊急入院分がなかったら、一週間弱で退院できていたのかもしれません。
お風呂は入ってもOKと言われていましたが、傷口が怖くて入れませんでした。
(帰宅して2日後にお風呂に入りましたが、しみたりはしなかったです。)

手術を終えての痛みは?

看護師さんに聞いても、痛みのレベルは人によってそれぞれとのこと。
子宮筋腫の手術経験者に話を聞いても、麻酔の副作用で吐き気が止まらなかった人もいれば、痛くて入院が長引いた方もいました。

そのため、一概にどうかは中々伝えにくいですが、私は想定よりは痛みが少なかったと感じました。
手術する前は、もっと痛くて、手術後は1日中動けないものだと思っていたので、次の日に歩いてトイレに行けたことが衝撃でした。

なので私の場合は手術後、ナースコールも押す機会がありませんでした。
最悪の想定をして、早めに痛み止めを点滴してもらったおかげで痛みが少しマシに感じられたのかもしれません。(執刀医の方や看護師さんの技術・対応も素晴らしかったのだと思います。)

話が逸れますが、元看護師の方にナースコールを何回押しても嫌われないか聞いたら、術後は遠慮なくで大丈夫と教えて頂きました。

むやみに押さないですが、いつでも押しても良いと思えるだけで痛みが緩和されたように思えました。

ただ、くしゃみや咳をするときは手術した部分が痛かったです。
しばらくは重いものも持てず、声も小声しか出せませんでした。早歩きはできません。

持ってきて良かったものリスト

さて、ここからは、病室に持ってきて良かったものを書きます。
手術の費用やまとめを読みたい方はここは飛ばして次の項目へどうぞ。

入院に必要なモノは、ざっと書き出すとこんな感じ。
★マークがあるのは、病院の売店で買いました。

  • シャンプー
  • リンス
  • ボディソープ
  • スキンケアグッズ(化粧水、保湿系)
  • パック
  • ボディシート(お風呂に入れないとき用)
  • 歯磨きグッズ★
  • くし
  • ティッシュ★
  • ウエットティッシュ★
  • 枕用のアロマスプレー(無印良品のもの 家と同じ香りで安心)
  • パソコン(仕事や家族とのLINE電話用)
  • イヤホン
  • 長めの充電器(コンセントがどの位置にあるか読めないため)
  • タオル(大・小)タオルは今回枕代わりにもなりました
  • 前開きパジャマ(今回はレンタル)
  • 下着
  • ナプキン
  • 靴下
  • トレーナー1枚
  • かかと付きのスリッパ★
  • 紙コップ★
  • 退院時、着替えが楽そうな服(お腹を圧迫しないワンピースをチョイス)
  • 保険証
  • 診察券
  • お薬手帳
  • 内金(15万円ほど)
  • (持ってる人は)国民保険限度額認定書
  • ミネラルウォーターやジュース★
  • 100均の洗濯ばさみ用カゴ(ベッドの柵に付けると、起き上がらずにモノが取れる。子宮筋腫の手術を受けた会社の同僚から教わりました。)
100均の洗濯ばさみカゴ。ベッドの柵に付けることで、起き上がらずに水やメガネや充電中のスマホが取れました。

あったら良かったもの

  • ネックピロー(病院の枕が合わなかった)
  • 磁石式のフック(マスクをサッと掛けて置く用)
  • 爪切り(意外と伸びる)
  • 油性ペン(冷蔵庫が共用の場合に名前を書く)
  • お塩(これは自己責任で。病院食は美味しいけれど味薄いので食事制限無いならば持っていくのも手かと。)
  • 使い切りの洗濯洗剤(コインランドリーを使用する場合)
  • 100円玉(コインランドリー用)

無くても良かったもの

  • 割りばしなどの使い捨てカトラリー(病院によるのかな?)
  • 箱ティッシュ(今回の入院期間なら、ポケットティッシュでも事足りました。人によるかも)
  • 暇つぶしのグッズ(結局、手術で疲れて寝てしまったので無くても大丈夫)
  • テレビカード(PCでYOUTUBE視聴してたのでTV見ない。仲良くなった病室のおばあちゃんに差し上げました)

手術・腫瘍サイズ・入院費用などについて

手術時間

約5時間(麻酔込み)
腹腔鏡手術なので、おなか3か所に1㎝ほどの切開をしました。
おへそ部分も切開しましたが、強い痛みはありませんでした。

今回の腫瘍の重さとサイズ

腫瘍は480グラム
500mlのペットボトル1本分の重さを常にぶら下げて歩いていたようです

入院時の腫瘍は一番大きな部分で13,5㎝あり。
通帳の長辺とほぼ同じサイズ・・・

お医者さんから、「手術で一番大変だったのはこの480グラムの腫瘍を刻むことだったよ」と言われてしまいました( ゚Д゚)

腫瘍の場所

子宮の外側の筋腫+左卵管切除
左卵管がパンパンにはれ上がっているのは、筋腫を取ってみないと分からないことでした
破裂する前でよかった

今回の入院に掛かった費用

入院費118,420円+手術用のアウスパッドの費用。
パジャマレンタル代。

さいごに。手術してみてどうだった?

手術自体は、かなり緊張しますが全身麻酔なので意識の無い手術中が一番楽でした。
個人的には救急車の時点が一番痛くて、この先どうなるのかが分からなくて辛かったです・・・
悪いものはしっかり取って1日も早いうちに直すことが一番だと、手術を受けて思いました。

手術を終えたら、子宮筋腫の事を考えなくても良い、清々しい日々が待っています。
注射すら苦手な私も何とか乗り越えたので大丈夫。
辛いときは、お薬の力や先生、看護師さんに沢山甘えさせてもらいました。

同じように悩む方が、1日も早く回復されますよう願っております。

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