引っ越しが決まったとき、意外と悩むのが収納ケースの扱いです。

「今使っている収納ケースは、新居でも使えるのかな」
「引っ越しを機に、きれいなチェストへ買い替えた方が良い?」
「中身を入れたまま運べるように、フタ付きケースの方が便利なのでは?」

このように迷う方も多いのではないでしょうか。

一人暮らし女性のお部屋へ伺うお片付けの現場でも、引っ越しを繰り返すうちに、サイズや色の違う収納ケースが少しずつ増えてしまったお部屋をよく見かけます。

その時暮らしている部屋に合わせて収納を購入していると、
・次の家ではクローゼットに入らなかったり
・置きたい場所から数センチはみ出して置けない、なんてこともあります。

だからといって、引っ越しのたびに収納ケースを全て買い替えるのは、費用もかかりますし、まだ使える収納を手放すのは勿体ないですよね。

そこで今回は、整理収納アドバイザーの視点から、引っ越し先でも長く使いやすい収納ケースの選び方をご紹介します。

このコラムを書いた人
成島理紗(おへやアレンジメント代表)
  • 一人暮らし女性のお片付け専門家(訪問実績1,000回以上)
  • 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
  • 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
  • TBS「櫻井・有吉 THE夜会」出演(お片付けの専門家として出演)
  • KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
  • 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
この記事に書いてあること

引っ越しのたびに収納ケースを買い替えることになる理由

新居で収納ケースが使えなくなってしまう大きな理由は、購入するときに「今の部屋に入るか」だけで選んでしまうことです。

もちろん、現在の収納スペースに合うことは大切です。

しかし、長く使いたい場合は、それに加えて次の点も考える必要があります。

  • クローゼット以外の場所でも使えるか
  • 収納する物が変わっても使えるか
  • ケース単体で一段ずつ分けたり、積み方を変えたりできるか
  • 部屋に出して置いても違和感が無いか
  • 引っ越しの際に運びやすいか
  • 湿気のある洗面所や脱衣所でも使える素材か

例えば、奥行の深い押入れ専用ケースは、押入れのある家では便利です。
ところが、次のお引越し先の家が一般的なクローゼットだった場合、奥行が合わず扉が閉まらないことがあります。

反対に、少し浅めの収納ケースであれば、クローゼットだけでなく、洗面所、リビング、パントリーなどへ用途を変えられる可能性があります。

収納ケースは「今どこで使うか」と同時に「今後どこで使えそうか」まで考えて選ぶことが大切です。

収納ケースを買う前に確認したい3つのこと

1,持っている物の量を確認する

引っ越しを機に収納ケースを買い替える場合でも、最初に商品を探すのはお勧めしません。
まずは、今現在持っている物の量を確認しましょう。

収納ケースが足りないと思っていても、中には、着ていない洋服や使っていない物が紛れて入っていることがあります。

引っ越しは、持ち物を見直す絶好のタイミングです。

新しい環境で暮らしが始まるからこそ、「これからも持ち続けたい物」と「今の自分には必要ない物」を考えやすくなります。

不要な物を整理する前に大きな収納を購入すると、使わない物を新居でも保管し続けることになりかねません。
収納用品を選ぶのは、これから持ち続けたい物と、その量が決まってからにしましょう。

2,収納する物の使用頻度を考える

収納ケースは、使用頻度によって適した形が変わります。

例えば、毎日着る洋服をフタ付きケースへ入れると、洋服を取り出すたびにフタを開けなければなりません。
ケースを重ねている場合は、上のケースを降ろす作業も必要になります。

一方で、季節外の洋服や思い出の品、保管用の推しグッズなど、頻繁に使わない物であれば、フタ付きケースでもそれほど不便を感じません。
「どこに置くか」だけではなく、「どのくらいの頻度で使うか」も考えて選びましょう。

3,新居の収納スペースを測る

新居が決まっている場合は、収納ケースを購入する前に次の場所を測っておきましょう。

クローゼットに置く場合

  • クローゼット内部の幅・奥行・高さ
  • 扉を開けたときの実際に使える幅
  • ハンガーパイプから床までの高さ

折れ戸の場合は、扉を開けても左右に扉の一部が残ります。そのため、クローゼットの横幅いっぱいに収納ケースを並べると、端の引き出しが扉にぶつかり、開けにくくなることがあります。

お部屋に出して置く場合

  • コンセントの位置
  • 点検口の位置
  • 窓の位置
  • 床から窓下端までの高さ

数字だけを見て判断するのではなく、「置けるか」「扉が開くか」「引き出せるか」の3段階で確認することが失敗を防ぐポイントです。

1000回以上のお片付け経験で実感した、引っ越しても使い続けやすい収納場所

これまで1000回以上、お片付けの現場へ伺ってきた中で、「ここだけは、引っ越し先が変わっても比較的使い続けやすい」と感じる収納場所があります。

それが、ベッドの下です。

クローゼットの大きさや部屋の形は、物件によって大きく変わります。

押入れだった収納がクローゼットになったり、ハンガーパイプの高さが変わったり、扉の形が違ったりすることもあります。

一方で、お客様のお部屋を拝見していると、ベッドは引っ越しのたびに買い替えず、同じ物を使い続けている方が多くいらっしゃいます。
同じベッドを使い続けるのであれば、ベッド下の高さや横幅も基本的には変わりません。

そのため、ベッド下に合う収納ケースを最初にきちんと選んでおくと、新居でもそのまま使える可能性が高くなります。

ベッド下へ収納する場合は、次の点を確認しましょう。

ベッドの下に置く場合
  • 床からベッドフレームまでの高さ
  • ベッド下へ差し込める奥行
  • ケースを並べられる横幅
  • ベッドの脚や補強材の位置
  • ケースを引き出すための通路幅

ケース本体の高さだけでなく、フタやキャスターを含めた外寸も確認します。

床や壁の色が変わっても使える収納ケースとは?

引っ越し先では、床や壁、建具の色が変わります。

今の部屋では馴染んでいたチェストが、新居へ持っていくと、ほかの家具から浮いて見えることもあります。その理由は、床や壁は引っ越すたびに変わってしまうためです。

そのため、一度購入した収納を長く使うことを優先するなら、次の順番で考えてみましょう。

  1. ベッドやテーブルなど、今後も使い続ける家具の色に合わせる
  2. 家具の好みが変わりそうなら、ホワイトやグレーなど、モノトーンのカラーを選んでおく

例えば、ベッドやテーブルが明るい木目なら、ベージュや明るい木目調のチェストを選ぶと、引っ越し先でもお手持ちの家具と馴染みやすくなります。
新居の床と手持ちの家具の色が異なる場合は、ラグを敷くことで、色の違いが気になりにくくなることもあります。

また、家具の好みが変わる可能性がある場合は、ホワイトやグレーなど、装飾の少ないシンプルなデザインを選ぶのも一つの方法です。

なお、クローゼットの中に置く収納ケースは、色やデザインよりも、サイズと使いやすさを優先して問題ありません。

お部屋から見える場所に置くのか、扉の中に隠れるのかによって、選ぶ基準を変えましょう。

チェスト・引き出し式・フタ付きケースはどう選ぶ?

収納ケースは、大きく分けると次の3つのタイプがあります。

タイプ収納するのに向いている物特徴
チェスト日常着(下着)、タオル、日用品家具のように部屋に置きやすい
単体の引き出しケース日常着、ストック系、趣味のグッズ組み替えや移動がしやすい
フタ付きケース季節外の物、思い出の品、推しグッズほこりを防ぎ、長期保管しやすい

どれか一種類だけで統一する必要はありません。

日常的に使う物は引き出し、半年以上取り出さない物はフタ付きというように、使用頻度によって役割を分けると使いやすくなります。

また、収納ケースを長く使うためには、形やサイズだけでなく、ケース自体の丈夫さも大切です。

収納ケースは、日々の開け閉めだけでなく、引っ越しの際の持ち運びや積み替えによっても負荷がかかります。ケースがゆがんだり、引き出しが開きにくくなったりすると、置く場所には収まっていても、快適に使い続けることが難しくなります。

そのため、私は丈夫で長く使いやすい天馬の収納ケースをおすすめしています。
次の項目では、サイズ展開が豊富で、暮らしや収納場所が変わったときにも、組み替えたり、同じシリーズで買い足したりしやすいおすすめの収納ケースをご紹介していきます。

ライフスタイル別・収納ケースの選び方

インテリアを大切にしたい人

寝室やリビングなど、普段から目に入る場所へ置く場合は、家具のように置けるチェストタイプの収納がおすすめです。

一般的な収納ケースよりも生活感が出にくく、ベッドやテーブルなどの家具とも合わせやすくなります。

木目の家具に合わせやすい「フィッツチェストウッド」

ナチュラルテイストや木目を生かしたインテリアがお好きな方には、「フィッツチェストウッド」が向いています。

木目調のデザインで、一般的なプラスチック製のチェストよりも家具に近い感覚で置くことができます。

カラーは2種類あるので、今お持ちの家具(テーブルやベッド)に近い方を選ぶのが無難。
収納量を増やしたいからと背の高いタイプを選ぶのではなく、

  • チェストの上をディスプレイスペースとして使いたいなら4段
  • 洋服をまとめて収納したい場合は5段
  • お部屋の中で死角に置くから収納重視という場合は7段、という風に、暮らし方に合わせて選びましょう。

シンプルなデザインを選ぶなら、「フィッツチェスト」「フィッツチェストフルフラット」

インテリアの好みが変わる可能性がある方には、装飾の少ないシンプルなチェストが使いやすいです。

白やグレーなど、部屋に馴染みやすい色を選んでおくと、お引越し先でインテリアが変わっても合わせやすくなります。

インテリアコーディネーターの私のおすすめは、フィッツチェストフルフラット。

取っ手の凹凸がフィッツチェストと比較して、フルフラットデザインになっているので、空間を邪魔せずよりスッキリと置けます。

引っ越しが多い人は汎用性を重視する

「インテリア性よりも、引っ越し先で使いまわせることを優先したい」
そんな方には、1段ずつ分かれたケースがお勧めです。

一体型のチェストとは違い、例えば、3段に重ねていたケースを、次の家では2段と1段に分けて使うことができます。クローゼットに入らなければ、洗面所やリビングなどへ移動できるため、間取りの変化にも対応しやすくなります。

引っ越し業者によっては、引き出しが開かないように固定することで、中に洋服を入れたまま運んでもらえる場合もあります。

ただし、ケースの強度や中身、引っ越し業者のルールによって対応が異なるため、荷造りを始める前に確認しておくと安心です。

洋服収納中心に考えるなら奥行53㎝の「フィッツケース」

一般的なクローゼットで洋服を収納するなら、奥行53㎝の「フィッツケース」が候補になります。

幅や高さのバリエーションが豊富なので、トップス・ボトムス・下着など、収納する物に合わせて組み合わせることができます。

薄手のトップスや下着は浅めの引き出し、ニットやボトムスは深めの引き出し、など収納する物の厚みに合わせて高さを選ぶと、引き出しの中に無駄な空間ができにくくなります。

置く場所を限定したくないなら奥行40㎝の「フィッツケースマルチ」

次の家の収納環境が分からない場合や、クローゼット以外でも使いたい場合は、奥行約40㎝の「フィッツケースマルチ」が便利です。

推しグッズなど、趣味の物が多い人は「ロックス」

収納する物や場所に合わせて幅・奥行・高さを選べるフタ付き収納です。

  • 防災用品
  • 季節外の寝具や洋服
  • アウトドア用品
  • 思い出の品
  • 趣味の物、推しグッズであまり見ない物を入れるのに適しています。

透明なので、フタを開けなくても、中に何が入っているか一目で分かるのがポイント。

今使っている収納ケースを新居へ持っていくか迷ったら

今使っている収納ケースを持っていくかどうかは、次の順番で確認します。

  1. 新居に置ける場所があるか
  2. 扉や引き出しが問題なく開くか
  3. 入れる物が決まっているか
  4. 部屋に出したとき、インテリアから大きく浮かないか
  5. 運搬費用や手間をかけても持っていきたいか

新居での役割が決まらない収納ケースは、引っ越し前に手放すことも検討しましょう。

使わなくなった収納ケースを手放す方法

収納ケースは大きさがあるため、手放し方に迷いやすい物です。
主な手放し方法は、次のとおりです。

自治体のごみ回収を利用する

収納ケースの材質や大きさによって、可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみなど、自治体の分別方法が異なります。

粗大ごみは、申し込みや処理券の購入が必要になるため、少し面倒に感じるかもしれませんが、確実に手放したいときには負担の少ない方法です。

引っ越し直前は粗大ごみの予約が埋まることもあるため、早めにお住まいの自治体のルールを確認しましょう。

メーカーや店舗の回収サービスを確認する

メーカーや販売店によっては、自社製品の回収を行っている場合があります。

例えば無印良品では、対象店舗において、無印良品のプラスチック収納用品を回収しています。

購入した店舗や時期、破損の有無は問われませんが、回収を実施していない店舗もあります。持ち込む前に、公式サイトで対象商品と実施店舗を確認しましょう。

売却益を期待しすぎない

まだ使える収納ケースを見ると、「捨てるのはもったいないから、売れないかな」と考える方もいると思います。
ただ、中古の収納ケースは、大きさがあるため発送が難しく、使用感や日焼け、細かな傷も出やすい物です。

人気のあるメーカーの商品や、同じシリーズが複数そろっている場合などを除き、期待した金額が付かないこともあります。

特に引っ越しまでの期限が迫っている場合は、最初から売ることを前提にしない方が、手放しやすくなります。
十分に使った収納ケースは、「これまで役立ってくれてありがとう」と考え、潔く手放すことも必要です。

まとめ|これからの暮らしを考えて収納グッズを選ぼう

収納ケースを選ぶときは、現在の部屋に入るかどうかだけでなく、次の家でも使えるかを考えることが大切です。

  • 持ち物を見直してから収納量を決める
  • 新居の寸法だけでなく、扉や引き出しの動きまで確認する
  • 毎日使う物には引き出し式を選ぶ
  • 長期保管する物にはフタ付きケースを選ぶ
  • 見える場所では、長く使う家具の色に合わせる
  • 引っ越しが多い場合は、分けて使える単体ケースを選ぶ
  • ベッド下など、引っ越しても寸法が変わりにくい場所を活用する
  • 役割が決まらない収納ケースは、引っ越し前に手放す

大きな収納ケースを購入すれば、物が片付くとは限りません。

大切なのは、自分の持ち物と暮らし方に合った収納を選ぶことです。

これから先の暮らしも想像しながら、長く使える収納ケースを選んでみてください。