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もしもの話です。
知り合いが急遽、自宅に来ることになったら、堂々と家に招き入れることはできますか?
お片付けをご依頼いただく理由は様々ですが、
先日ご依頼いただいたお片付けは「もしもの事態に備えた」お片付け、でした。
実際の依頼はこちら。
万が一、自分が倒れたり、急遽知り合いが家に来ることになったら
とてもじゃないけれど、お部屋を見せられる状態ではありません。
本当に必要なモノを選んで残りは捨てて、
何かあったときはすぐ人を呼べるようにしたいんです。
急に人が来るシチュエーションは中々無いかもしれません。
しかし、誰かに見られることを前提にお片付けをしてみると、これは見られても平気、とか、これは見られたくない!など新しい視点でお部屋を片付けるきっかけになります。
そこで、今回のコラムでは、
- モノが中々減らせなくて悩んでいる方
- お片付けのやる気スイッチが入らない方
に、お勧めの「もしもに備えた」お片付け方法についてお伝えしていきます。
- 一人暮らし女子のお片付け専門家
- 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
- 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
- KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
- 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
- 一人暮らし女性宅の訪問件数は500件超
- 趣味は収納グッズの情報収集と旅行
「もしもに備えたお片付け」とはどんなことをする?
もしもに備えたお片付けとは、自分にとっての緊急時を想定して、そのときに見られたら恥ずかしいものや危険だと思われる状態を無くす片付けです。
人によって、この「もしも」の基準は違ってきます。
例えば、
- 自宅に人が泊まりに来ることになったら?
- 自分が急遽、具合が悪くなって救急車に乗ることになったときに、救急隊員の人に家を見られることになったら?(←私の実話です笑)
- 両親が自宅に遊びに来ることになって、モノが散らかっているせいでけがをしたら?
という感じで、もしものケースを想像します。
想像したときに、自分の中で「これは誰にも見られたくない!」とか「この状態は危ないかも」という部分を無くしていくのが、もしもに備えたお片付けです。
今回の片付けのポイントとしては、「散らかった部屋を絶対に見せたくない」という気持ちを働かせるのがポイントです。
なので、こうなりたい!という前向きな気持ちより、こうなりたくない!という気持ちをイメージした方が片付けエンジンがオンになります。
もしもに備えたお片付けを実践したらこうなった
私は、去年、耐え難い腹痛が起きて、自宅にファストドクターと救急車を呼んだ経験があります。
健康だけが取り柄だと思っていたので、まさか一晩のうちに自宅に医者と救急隊員を呼ぶ経験をするなんて思っていませんでした。
しかし、この経験をしてから
- 床に物を置かない(何かあったときの通路確保のため)
- 下着もいつ見られても恥ずかしくないものだけにする(救急車の中で体温・脈拍測ったり、病院についたら検査するので見られます!古くなったら潔く捨てる!)
- いざという時に、保険系の書類の場所をすぐわかるようにひとまとめにする
というお片付けを徹底することになりました。
冒頭のお話で、お片付けをご依頼くださったお客様は、本当に大切なゲームとCDだけを残して、自分の中で黒歴史認定のグッズを処分しました。
- 漫画や本
→電子書籍に移行。貴重な本以外は買取サービスに出す - CD
→サブスクで聞けるものは手放す - 昔、自分が書いたノート
→見られたくない部分は破いて、紙袋に入れて可燃ごみで処分 - 卒アル
→個人名・住所が書いてあるところは破いて見えなくしたうえで可燃ごみで処分
という流れで不要なモノをどんどん家の外に出しました。
1日では時間が足りなくて、家の中全ての持ち物を見直せませんでしたが、4時間のお片付けで段ボール5箱分もの物(漫画、趣味のグッズ、昔書いたノート、ゲームなど)と押し入れ1つ分の物が見事に無くなりました。
もしもの備えで物事を見ると、見られたら恥ずかしいモノや状態・置いていたら危険な状態・本当は要らないと分かっているのに、執着で持ち続けているもの、に目が行くようになります。
つまり、誰かに見られたら?という視点を紐解いていくと、自分の本音として、本当は要らないと思っている気持ちに気が付くことができます。
まとめ
お片付けを始めるきっかけは、こういうお部屋にしたい!という未来志向の依頼も多いですが、それよりも、こんな未来にしたくない!という問題回避の気持ちが強い原動力になります。
自分の持ち物は、自分でいつか処分しなければならない日が必ず来ます。
お片付けは、モノを減らすことに目が行きがちですが、本当に目を向けてもらいたいことは、いつか使うかもと思っているものに埋もれて、大切なモノが見つけられない人生になっていないか?ということです。
こちらのコラムをきっかけに、本当は要らないと思っている気持ちに気が付いて、自分が何を大切にしたいかをもう一度知る機会になったらいいなと思っています。
私自身は自分の人生に必要なモノはほんの一握りで、モノよりも記憶の方が豊かであるということに気づかされました。
やっていることはお片付け作業ですが、ちょっとだけ視点を変えてみると自分自身の新しい発見に繋がりますよ。