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私は整理収納アドバイザーとしてお仕事をしていますが、元々お片付けは苦手。
そのため、ちょっと特殊ですが、片付けができなかった時代と片付けができるようになった時代の明確な行動の違いが分かります。

つい先日も、お仕事でお片付けが苦手なお客様のお家に伺った時『昔私もやってた!!』と勝手ながら共感してしまう光景を見つけました。
しかし、片付けができるようになった今は、不思議なことにそれを部屋で見かけなくなっていました。

つまり、片付けが苦手な人は思考が部屋に現れるということです。

ちょっとドキッとするかもしれませんが・・・今回は、2つの光景について解説していきます。
ぜひ、コラムを読みながらご自身に当てはまるか見てもらえたらと思います。

このコラムを書いた人
成島理紗
  • 一人暮らし女子のお片付け専門家
  • 整理収納アドバイザー1級・インテリアコーディネーター
  • 一人暮らし女性専門お片付けサービス「おへやアレンジメント」代表
  • KADOKAWA出版「ひとり暮らしかんぺきBOOK」の監修
  • 天馬株式会社オフィシャルアンバサダー
  • 一人暮らし女性宅の訪問件数は500件超
  • 趣味は収納グッズの情報収集と旅行

片付けが苦手な人の部屋で見かける光景

布で隠す

一番多いのはこれです。
布で隠せば、空間が良い感じになる!!そう思っていませんか?

かく言う私も、要らなくなった大きめの布で、本棚を隠していました。

みなさんのお部屋はどうですか?

布を掛ける、ということは気軽に空間をキレイにできる方法ですが、その裏側には、隠さないといけない位、物があったり見た目が気になっているということです。

布で隠すと、どうして片付けられない人になってしまうのかを解説します。

その理由は

中の物が取り出しにくくなるから。です。

布をめくらないと中身が見えない。
そうなると、取り出す事が面倒に感じ始める→中の物を出さなくなる→存在を忘れる→未来の自分への負の遺産が爆誕。

という流れで、どんどん物が増えていきます。
折角布を掛けたのに、その前に物を置いてしまっていませんか?
それは、中の物が取り出しにくいのと、物が増えているから起きてしまう現象です。

もう一つは、隠す癖がつくから。

布で隠すことが日常になると、ひとまず入れて布を掛ければヨシ!
とその場しのぎの片付けになります。
そうなると、すぐリバウンドすることになります。

可愛い缶や空き箱を収納として再利用する

次に見かけるのは、可愛い缶や空き箱を収納として再利用すること。

可愛すぎて捨てられないから、収納として活かそう!
そう思う方は多いのではないでしょうか。

しかし、この収納がどうして散らかる原因になるのか?
こちらも解説していきます。

一つ目は、

入れる物と缶(空き箱)のサイズが合うことはほとんど無いからです。

冷静に考えるとそうなのですが、あくまでも缶(空き箱)は元々入っていた物のためのもの。

そのため、缶に物を収納したことがある方は経験があるかもしれませんが、缶の形が特殊なので、中に入れる物がシンデレラフィットせず、フタがうまく閉まらなかったり、これを入れることが果たして正解だったのかモヤモヤが深まります。

特に、形状が丸型だったり、別々の缶同士を並べて収納しようとすると、形が同じでは無いためテトリスのような置き方になります。そうなると、隙間にぎちぎちに入り込んで取り出しがしにくくなり悪循環が生まれます。

よく『この缶には何を入れたら良いですか?』と聞かれますが、それの答えは『収納にはなりません』です。

そして次に、

缶(空き箱)収納はアクション数が増えてしまうから

アクション数とは、物を取り出すまでに何回の動作を行うかをカウントしたものです。
片付けが苦手な人は、このアクション数が少なくなるように収納していく必要があります。

缶(空き箱)収納の場合、中身を取り出すだけでフタを開ける動作が必要となるので、1アクションとなります。

缶(空き箱)が、キッチンやクローゼットの棚の中に入っているのであれば
①キッチンやクローゼットの扉を開ける→②缶(空き箱)のフタを開ける、の2アクション

缶がクローゼットの中の引き出しの中に入っているのであれば
①クローゼットの扉を開ける→②引き出しを開ける→③缶の中身を取り出す、の3アクションになります。

つまり、缶の収納は取り出すのが面倒になります。
取り出すのが面倒ということは、戻すことも面倒になります。

片付けができる人・できない人の違いは【使ったものをもとに戻せるか?】なので、缶収納はあとで元に戻せば良いか。という気持ちを引き起こし、それが積み重なっていつしか片づける気力が無くなります。
つまり、缶や空き箱に収納するということは、自分自身で片づけられない仕組みを作っていたということだったのです。

私は、その事実に気が付いてから、缶や空き箱に収納するのはやめました。
そして今、片付けがスムーズにできる部屋になりましたが、家の中に缶収納は見かけなくなりました。

まとめ

今回のコラムでは、片付けが得意な人と苦手な人の部屋の違いについてを紹介しました。

あくまでも、私自身の経験と、お片付けの現場で見かける光景なので、例外はあるかもしれませんが、この2つに共通することは

  • 中身が見えない収納
  • 取り出すまでの工程が面倒な収納

は、片付けを妨げる、ということです。

自分のお部屋がそんな収納になっていないかな?とチェックしつつ、このコラムがモノを見直すきっかけになりましたら幸いです。